皮革の製造工程

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1 原皮

牛皮、馬皮、豚皮、山羊皮、羊皮、爬虫類や両生類の皮など様々な種類の皮があります。
当社は牛皮をはじめ山羊皮、羊皮、バッファロー皮など多様な革を取り扱っています。

豚皮は国内で自給されていますが、その他の原皮は国内産の地生(じなま)を除きアメリカやバングラディッシュなど諸外国から輸入されます。

通常腐敗を防ぐため、塩漬け、または塩水処理をし半鞣しの処理をしてからの輸入になります。

2 水漬け

生皮の状態に戻す作業。
輸入された原皮は一度脱水されている為、多量の水に浸漬させ吸水・軟化を行い生皮に戻します。この際、皮に付着している血液や汚物なども取り除きます。後の薬品処理をスムーズに行う為の重要な工程なのです。

3 裏打ち(フレッシング)

裏打ち機(フレッシングマシン)を使い、皮の裏面に付着している肉片や脂肪を削る作業。皮が軟らかい状態で行う必要があるので水漬けの後に行います。フレッシングが不十分だと鞣しが不均一になり、革になった際に硬化して残り伸びにくい部分になってしまいます。

4 脱毛・石灰漬け

皮の繊維をほぐし、毛・脂肪・表皮層を分解除去する作業。強アルカリ性の石灰乳に漬け皮を膨潤させ皮のコラーゲン繊維をほぐします。コラーゲン繊維をほぐすことにより、皮の表面の毛が取れ、皮革特有の柔軟性を得る為に必要な作業です。ドラム・パドル・脱毛機を用います。

5 分割

分割機で皮を削り厚みを調整します。銀面(表面)と肉面(床皮)の2層に分割します。スプリッティングマシン、またはバンドナイフマシンに革を通してカットします。伸びのあるソフトな革に仕上げる場合はこのタイミングで分割しますが、生産効率上、鞣し後に行うことが多いです。

6 垢出し

脱毛・石灰漬けで除去し切れなかった毛根や脂肪などを取り除き銀面を整えます。
垢出し機(スカッティングマシン)や銓刃(手作業で垢出しをする際に使用する刃物)で毛根や脂肪などを圧出して除去します。

7 脱灰・酵解

鞣し作業に入る前に皮の状態を整える作業。石灰乳に漬けた皮は強アルカリ性で膨潤し、カルシウムイオンが結合しています。その為、石灰を取り除く脱灰をして鞣し作業時に鞣し剤が沈着しやすいようにします。さらに詳しく
酵解は銀面を滑らかにし柔軟性を持たせる為に行います。皮に酵素剤を用いて不要なタンパク質を分解除去します。脱灰と同時に、または引き続き行うことが多いです。

8 浸酸

弱アルカリ性の皮を酸性溶液に漬ける作業。
鞣し剤が酸性でないと溶けないのでこの時点で皮を酸性溶液に漬け、鞣し剤を吸収しやすい状態にします。

9 鞣し

皮をそのまま使用すると、柔軟性がなくなったり腐敗する為、鞣しをすることにより耐熱性や耐久性を与え、これらの問題を解決します。

鞣し剤の種類としてクロム鞣し等の化学物質を使ったものや、植物タンニンなどの樹液を使うもの、または2つの性質を組み合わせた混合鞣し等があります。使用する鞣し剤の種類によって皮に与える影響が違う為、用途によって鞣し剤を使い分けます。

鞣す前を「皮」、鞣し後を「革」と呼びます。

10 水絞り

革の余分な水分を絞ります。

11 シェービング(裏削)

鞣した革の肉面を削り一定の厚みにする作業。製品革の用途に合わせた厚みに調整します。再鞣し以降の処理で厚みの変動があるため、それを考慮し削ります。

12 中和

革の中の酸をアルカリで中和し、染料や加脂剤の浸透が均一になるように調整する作業。
中和が不十分であると色むらや染色浸透不十分などの問題が起こります。

13 再鞣

一度の鞣しでは製品革の用途に最適な性質の革を作るのに不十分な為、鞣し剤を使い用途に応じた特性にします。革の特性を広く変化させ、また特殊な機能を付加することができます。銀面の改善、充填効果、風合いの改善、耐汗性・耐洗濯性の改善など。

14 染色・加脂

染色は染料を用いて革を染める作業。
革と染料液をドラム中で回転させるドラム染色が一般的ですが、パドル染色スプレー染色も行われます。

加脂は革に油剤を施す作業。革に目的に応じた柔軟性、触感、光沢、耐水性などを特性を付けます。ドラムの中に革と加脂剤を入れ回転させる方法が一般的です。

15 水絞り・伸ばし

革の余分な水分を絞り取り、革を伸ばす作業。

16 乾燥

革に染料や加脂剤を定着させる為に乾燥させます。自然乾燥や熱風乾燥。革の質感に影響する重要な作業。

17 味入れ

革に適度な水分を入れ、揉みほぐしやすくする作業。

18 ステーキング

革を機械で揉みほぐし、柔軟性や弾力性を与える作業。乾燥によって硬化した繊維を揉みほぐします。革をヘラでしごくタイプ(スローカム型、ベーカー型)や振動する小さな突起の間をくぐらせる(バイブレーション型)などがあります。

19 張り乾燥

張り板に釘張りするか網板にトグル張りして、平らな状態に乾燥させ水分を除去します。

20 縁断ち

革の縁が乾燥中に硬く変形し仕上げ作業の障害になるので、硬化部分を除去する作業。

21 銀むき

革の表面にサンドペーパーを掛ける作業。スエードやベロアなどの起毛革の仕上げ、または塗装する前の準備として革表面を平滑化します。

22 塗装

革の銀面に染料などで塗布する作業。
色調の調整、風合いの改善等の目的があり、耐久性、防汚性、撥水性などの機能を付加します。
塗装の方法として、カーテンコーティングマシン、手拭スプレー、自動スプレー装置など。

23 艶出し・アイロン・型押

アイロンは塗装面を高温でプレスし、塗装の固定、艶出しを行う作業。
また型押しをして人工的な凸凹模様を付けることもあります。

24 計量(坪入れ)

計量機にかけて革の面積を計量します。
単位は、日本国内向けのデシDS・d㎡(1ds=10×10㎝)と海外向けのスクェアー・フィート(1SF=約9.3ds)の2種類があります。

以上のような工程を経て、『革』が完成します。
甲革、底革、袋物用革、衣料革、エナメル革、工業用革などの各種一次製品革=「製品革」が出来上がりました。


1)大きなタイコ(ドラム)に石灰漬けした皮と薬品と水を入れ、回すことによって皮をなめしていきます。

2)セッターとプレスで、染色した革を脱水・圧延します。


3)革を宙吊りにして乾燥していきます。


4)ものによっては4~5日間置いて乾燥させますので、広いスペースが必要です。


5)乾燥して硬くなった革をバイブレーション(振動)の機械に通して柔らかくします。


6)オートスプレーで機械により自動的に着色します。


7)サンプルなど、数が少ないものは、人手により着色します。


8)プレスする鉄板の種類を変えて、革を伸ばして艶を出したり、革に模様をつけるために型を押したりします。


9)光沢と模様がつきました。


10)広い工場ですが全員がきびきび動いていろんな種類の革が出来上がっていきます。


11)計量機に通して正確な面積を測ります。


12)梱包して出荷準備完了です。